伊勢神宮は、皇室のご先祖であり、日本人の総氏神であり、太陽神である
天照大御神(内宮)と、天照大御神の食料を司り、食物をはじめとするあらゆる産業の守り神である
豊受大神(外宮)をお祭りする神社です。
お参りの順番は、外宮→内宮というのが一般的で、ご存じの方も多いと思いますが、伊勢には内宮、外宮の他125のお社があるのです。
旅行で、125全てを回るのは不可能ですが、時間があれば内宮、外宮の他、
別宮(べつぐう)、
遙宮(とおのみや)と呼ばれる10のお宮+1は頑張って回りたいところ(移動手段は車で、急いで回れは1日、余裕を持って二日間程度)。
おすすめの伊勢神宮参拝コース
あとで詳しく説明しますが、おすすめのお伊勢参りのコース(順路)は以下のとおり。
お伊勢参りではじめに行きたい神社がこの御塩殿神社 (みしおどのじんじゃ)。御塩殿神社のある二見というエリアはかつて伊勢神宮参拝者が参拝前に禊に訪れた地。

ここは伊勢神宮にお供えする堅塩(かたしお)を作る施設のある神社で、現在もここで作られているそうです。
塩で邪気を払い、次の二見浦(二見興玉神社)で禊をしてからお伊勢参りというのが昔の正式なコースであったようです。
御祭神:
御塩殿鎮守神(みしおどののまもりのかみ)
参拝時間:
約10分。
感想:
私が行ったのは夏場だったので、朝6時にもかかわらず蚊がすごかったです。
虫除けスプレー必須。
御塩殿神社からみる二見浦の朝日。

倭姫命があまりにも美しいので二度振り返ったことから二見という地名が付けられたとか。
住所:〒519-0606 三重県伊勢市二見町荘
次に向かうのは、
夫婦岩で有名な二見興玉神社。

二見興玉神社は御塩殿神社から車で数分の場所にあります。邇邇藝命(ニニギノミコト)が天孫降臨(てんそんこうりん)の際、道案内をしたという
猿田彦命(さるたひこのかみ)が祀られています。
二見興玉神社のある二見浦一帯は
禊浜(みそぎはま)と呼ばれ、伊勢参宮を行う人が心身を清めた場所であったようで、この禊祓いは現在も行われています。
この二見興玉神社から外宮というのは納得です。天照大御神が引きこもりになった天の岩屋(天岩戸)もあります。
御祭神:
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)
綿津見大神(わたつみのおおかみ)
参拝時間:
約30分。
感想:
朝の海は最高に気持ちが良いです。夫婦岩という名前でも分かるように縁結びスポットとしても有名。二見かえるという小さなお守りがかわいいですよ。
フナムシがちょっと気持ち悪かったです(^_^;)。
住所:〒519-0602 三重県伊勢市二見町江575
TEL:0596-43-2020
次に向かうのは神宮の外宮。外宮は、天照大御神の食料を司り、食物をはじめとするあらゆる産業の守り神である
豊受大御神 (とようけのおおみかみ)をお祀りする神社です。

表参道火除橋を通って
御正宮で参拝。御正宮では感謝を伝えるのみで、細かなお願いごとは同じ敷地内にある
多賀宮(たがのみや)で行います。
多賀宮とは、豊受大神の荒御魂(あらみたま:荒々しい魂)をお祀りしている場所で、和魂(にぎたま:おだやかな魂)の御正宮と対を成す場所。
敷地内には、別宮とよばれる土宮や風宮などがありますので、見落とさないようにしましょう。参拝ルートの載った
ガイドブックは必須です。
オススメガイドブック
御祭神:
豊受大御神 (とようけのおおみかみ)
別宮:
多賀宮(豊受大御神荒御魂)
風宮(級長津彦命、級長戸辺命)
土宮(大土乃御祖神)など
参拝時間:
約40〜60分。
感想:
内宮やその他のお社を参拝することを考えると午前中の出来れば9時前の参拝がおすすめ。9時以降は特に内宮は平日でもかなり混みます。
敷地はけっこう広いので、玉砂利に足を取られ、意外としんどいので急がないこと。お賽銭は多めに用意しておくこと。
お賽銭は10円(遠縁)ではなく、5円(ご縁)や、11円(いい縁)、22円(二重に円)、25円(二重にご縁)、41円(良い縁)、45円(始終ご縁)あたりでしょうか?
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外宮イラストマップ(参拝ルートも表示できるので便利です)
住所:〒516-0042 三重県伊勢市豊川町279
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
外宮の敷地外にある外宮の別宮、
月夜見宮。歩いて10分程度の場所にあるので車は外宮に置いたままが良いと思います。内宮の別宮である
月読宮 (つきよみのみや)もあるので注意が必要です。

月夜見宮は天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟、
月夜見尊を祀る神社。右奥には高河原神社があり土地の守護神(月夜見尊)を祀っていて、左奥にはお稲荷さんも祀られています。
御祭神:
月夜見尊(つきよみのみこと)
月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)など
参拝時間:
約10分。
感想:
とても小さな神社ですが、一歩中に入ると別世界のように厳粛な場所です。
住所:〒516-0072 三重県伊勢市宮後1丁目3−1006
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
内宮は、皇室のご先祖であり、日本人の総氏神であり、太陽神である
天照大御神(アマテラスオオミカミ)が祀られた神社。

私が伊勢神宮を好きなのは神様以外ではこの唯一神明造りと言われるお社のフォルム。昔の日本をおもわせる茅葺(かやぶき)屋根と、天に向かってそそり立つ千木のカッコイイこと。

鎧兜の兜のようでもあり、昔好きだったロボットアニメのガンダムのようでもあり、とても好き。茅葺きではないですが、熱田神宮のお社も良いですね。
あまりにもカッコイイので唯一神明造り(茅葺屋根)の神棚も買ってしまいました。

もちろん
ちゃんとお祀りしていますよ。
茅葺き屋根の神棚;
さて、内宮です。内宮を訪れたら宇治橋鳥居をくぐって中へ。手水舎で清めたあとはすぐ横の五十鈴川へも行きましょう。

本来は、ここで身体を清めるのが正しいようです。
そして
ここが重要!!
五十鈴川御手洗場のすぐ横に、
滝祭神(たきまつりのかみ)が祀られています。ここは、五十鈴川の流れを収める神様なのですが、実はここお取次ぎさんと呼ばれる内宮参拝の重要スポットだそう。

ここにご挨拶することで、天照大御神に「○○が来ましたよ」とお伝えしてくれるとのことなので、忘れずに参拝しておきましょう。
その後は風日祈宮、天照大御神の和御魂が祀られる
御正宮、天照大御神の荒御魂が祀られる
荒祭宮を参拝するのが正式ルートです。
*外宮同様、細かなお願いごとは荒祭宮で行います。
御祭神:
天照大神(あまてらすおおかみ)
別宮:
荒祭宮(天照坐皇大御神荒御魂)
風日祈宮(級長津彦命、級長戸辺命)など
参拝時間:
約60分〜90分
感想:
とにかく大きいので急がずにゆっくり回ること。お賽銭もたくさん用意しておきましょう。
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内宮イラストマップ(参拝ルートも表示できるので便利です)
住所:〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
内宮の次は、内宮駐車場(タクシー乗り場)裏にたたずむ小さな神社、
饗土橋姫神社 (あえどはしめじんじゃ)。
ここは、旅の安全を守る神であり、宇治橋の守り神である宇治橋鎮守神(うじばしのまもりのかみ)が祀られています。

ここでは、無事に伊勢に来られた事への感謝と、残りの旅の無事をお願いしましょう。
御祭神:
宇治橋鎮守神(うじばしのまもりのかみ)
参拝時間:
約5分。
感想:
ほとんどの方は知らずに通りすぎてしまう神社。小さいながらも板葺の神明造りのお社はとっても良い感じ。近くにもいくつがお社があります。
住所:〒516-0023 三重県伊勢市宇治今在家町
こちらは内宮の別宮である
月読宮 (つきよみのみや)。外宮別宮の月夜見宮と混同しやすいので注意。

こちらも天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟、
月夜見尊を祀る神社ですが、お社は全部で4つ(見えにくいですが)。

お参りには順序があって、まずは月夜見尊の和御魂を祀った
月読宮(手前から3番目)、次に月夜見尊の荒御魂を祀った
月読荒御魂宮(奥)、父である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祀った
伊佐奈岐宮、母である伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀った
伊佐奈弥宮(いざなみのみや)の順です。
他のお社同様、和御魂には感謝を、具体的なお願いごとは荒御魂が良いようです。
御祭神:
月夜見尊(つきよみのみこと)
月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
参拝時間:
約10分。
感想:
こちらもさほど大きくない神社ですが、月夜見宮にくらべとても和やかな雰囲気を感じた神社です。月夜見尊とそのご両親が祀られているせいでしょうか?
住所:〒516-0028 三重県伊勢市中村町742−1
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
天照大御神をお祀りする場所を求めて旅した
倭姫命(やまとひめのみこと)。大和の国から伊賀、近江、美濃、尾張を旅して伊勢に入ったとき、天照大御神から御神託をうけ五十鈴川の畔に内宮を建てました。
その倭姫命の功績を讃え、建てられたのが倭姫宮。大正12年建造と、かなり新しいお社です。
御祭神:
倭姫命(やまとひめのみこと)
参拝時間:
約10~30分。
感想:
倭姫宮 (やまとひめのみや)は倭姫命のみをお祀りしている神社ですが、結構広いです。
交差点すぐの鳥居をくぐり抜けるとしばらく参道が続くのですが、私はここの雰囲気が好き。日本人で良かったなぁ〜とか、神社という存在を知って良かったなぁ〜と心から思える素晴らしいところです。

この神社正面から入ると結構歩くのですが、交差点をさらに奥に進むと駐車場があり、そこの入り口からだと社殿まではすぐです。朝からの神社巡りで疲労を感じている方はそちらをオススメします。
住所:〒516-0014 三重県伊勢市楠部町5
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
ここからは別宮ではなく、
遙宮(とおのみや)と呼ばれる、かなり離れた場所にある神社です。
食事をするなど、一旦休憩するか、ゆっくり回りたい方は別日にするとよいでしょう。
遙宮(とおのみや)巡りのついでに行きたいのが、ここ天岩戸。伊勢市街から32号線で
伊雑宮へ向かう途中にあるので、是非寄ってみてください。

天岩戸とは、天照大御神が弟である素戔嗚尊(建速須佐之男命)の傍若無人ぶりに嫌気が差し天岩戸にこもってしまうという神話が元になった場所で、全国に数件あるのですが、ここもなるほどそれらしい雰囲気を持った場所です。
天岩戸から流れ出る清水は名水百選にも選ばれているらしく、ペットボトルで汲みに来ている人も居ました。
*生水は飲まないでという注意書きあり
天岩戸からさらに10〜15分ほど山を登ると
風穴と呼ばれる場所に付きます。風穴から流れ出る冷たい風は天然のクーラーといった感じでとても気持ち良いですよ。
御祭神:
天照大神(あまてらすおおかみ)?未確認
参拝時間:
約30分。
感想:
駐車場に車を止めて歩くこと10分、滝を眺めつつ階段を登ったところに天岩戸(恵利原の水穴)はあります。
暑い日中にも関わらず、非常に涼しく、水も冷たくとても気に入りました。途中、サワガニもいましたよ。
住所:〒517-0209 三重県志摩市磯部町恵利原2
ここからは、
遙宮(とおのみや)とよばれる、伊勢の市街地からかなり離れた場所あります。この伊雑宮は、倭姫命が内宮へのお供え物を取る場所を定めようと各地を探していた時に天照大御神の御魂を祀ったのがはじまりとか。
御祭神:
天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)
参拝時間:
約15分。
感想:
別宮は本来別の神様がお祀りされているのですが、こちらには天照大御神の御魂が祀られているので、別宮ではなく御正宮??
住所:〒517-0208 三重県志摩市磯部町上之郷374
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
伊雑宮同様、
天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)がお祀りされている神社。倭姫命が内宮を創建する前にお祀りしていた神社で、元伊勢と呼ばれています。

お社は4つあり、瀧原宮、瀧原竝宮、若宮神社、長由介神社の順に参拝とのこと。
御祭神:
瀧原宮:天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)
瀧原竝宮:天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)
参拝時間:
約20〜30分
感想:
別宮の中で、
私が一番パワーを感じたのはここ。まっすぐに伸びた参道と、その横を流れる川は内宮の五十鈴川以上です。
住所:〒519-2703 三重県度会郡大紀町滝原
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
以上、おすすめの伊勢神宮参拝コース 10+1でした。
瀧原宮で参拝を終え、近くに温泉があったので汗を流してさっぱり(^^)。
阿曽温泉

入浴料は500円、食事もできてリラックスできました。
阿曽温泉
住所:〒519-2704 三重県度会郡大紀町阿曽429
TEL:0598-84-8080
営業時間:午前10:00〜午後9:00
定休日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日)